複雑な形を持つものは、それに適した型作りが行われ、ロウを用いた型、粘土を用いた型、砂を用いた型などが使われます。
銅製花器
銅製花器伝統と匠の技で鋳造された銅製花器をご紹介します
日本における銅器の歴史は、古くは中国で製造された青銅器が日本に流入したことに始まります。中国で発展した花入れ用の花器は、もとは「まつりごと」に使われた祭器であったり、酒器、食器であったりしたものです。
今日、銅器といえば”高岡”ともいわれるようになった高岡銅器。
加賀藩主であった前田利家公が高岡城を築いた際、鋳物師を招いて工場を開かせたことに始まります。
その後、江戸時代には仏具の製造が盛んになります。
信仰心があつく、熱心な仏教の門徒が多い北陸は、仏具の需要も高く、従来の鋳物師とは別に仏具師も鋳造技術を高めていきます。
江戸時代中期頃には多くの形や飾りを持つ、日本独自の意匠を持った銅製花器が作られるようになりますが、これは、二代池坊専好が活躍し、立花様式が整えられた時期とちょうど重なります。
もしかすると、当時の花図に見られる花器の中には、高岡で作られたものもあるかもしれません。
銅器の製造工程
銅器は鋳造という技術で作られています。鋳造は型に溶かした金属を流し込み、目的の形を作る方法です。
作るものの姿、数によって作り方も変わります。その工程を簡単にご説明します。
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- 溶けた金属を流し込みます
- 型をばらします
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- ろくろで回しながら表面をきれいにします
- 研磨し、仕上げていきます
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- 生地に下色を付ける着色
- 鉄漿、漆による着色を行います
以上は、わかりやすく示したもので、実際はもっと複雑で細かい作業があります。
いずれの工程も熟練した技が求められ、中には溶けた金属の色で、温度を見極められる職人もいます。
歴史の銅器ですが現代的でスタイリッシュなカラーのものもあります。
命の根源である水の深みを思わせる濃いブルー。
グラデーションが美しく、高貴な輝きを放ちます。
- ※銅製花器の取扱いについて
使用後は水をふき取り、よく乾かしてください。
濡れたままにしておくと、水道水の成分でシミになる可能性があります。